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技術コラム第17回:Chiba Open Data Day 2013 - こどもNo.1千葉 - 参加レポート

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2013年2月23日に開催されたChiba Open Data Day 2013 - こどもNo.1千葉 -に参加しました。

 

世界で100都市以上で同日に開催され、日本でも8都市で開催されたInternational Open Data Dayの千葉市でのイベントです。イベント名にもあるように千葉市が力を入れているこども・子育て支援を意識したイベントでした。LODチャレンジ実行委員会も後援させていただきました。

 

千葉市では開催案内に記載の通り、

  • Where Does My Money Go?によるお金の使い方分析
  • イクメン応援アプリのアイデア出し&プロトタイピング
  • FixMyStreetを使ったこどもNo.1度チェック

という3つのチームによるプロジェクトが進行しました。

 

それぞれの成果については既に International Open Data Day 全体のコーディネートを行った Open Knowledge Foundation Japan の特設サイトに掲載されています。

またYouTubeにもオープニングレクチャや成果発表の様子があります。

 

Chiba Open Data Day 2013 Logo

 

詳細は上記リンク先を参照していただくとして、ここでは一参加者として、作業内容や感想を書きたいと思います。

 

開催前から千葉市には熱気がありました。facebook上で熱い議論が重ねられ、事前の準備が進められていました。地域の問題を登録・共有するFixMyStreetについては、プレイベントの街歩きが行われていました。

 

私が参加したWHERE DOES MY MONEY GO? 千葉市版プロジェクトも、事前に市の予算や決算の資料が調査されていました。また、今回の作業で扱い易いようにデータが加工されていました。これには本当に助かりました。今後、自治体からは、扱い易い状態でデータが公開されてくることが期待されていますが、現時点で今回のような短期間のハッカソンで成果を出すには、この事前作業は非常に重要です。

 

そして当日は、千葉市版チームメンバにより、データを読み解きながら、公会計のプロも参加した建設的な議論を経て、千葉市ならではの決算分類が考えられていきました。ここでの分類はWHERE DOES MY MONEY GO?のユーザーインタフェース上で、どの分類にどれだけお金が使われているかという表示に直結します。本作業のベースとして利用した横浜市版の WHERE DOES MY MONEY GO?から分類を変えなければならない部分が多々あり、市税の使い方は自治体毎の特色があるということがよくわかりました。分類作業をすると市への理解が深まり、このようなイベントに市民が参加する意味は大きいとあらためて思いました。自治体と市民の協調のベースになります。

 

Where does my money go? for Chiba

 

分類ができると、当日の成果物の作成に向けてラストスパート開始です。分類に基づいて、市の各事業をマッピングし、分類毎に事業費の市費総額を計算したり、今回決定した分類を表示できるようにWebサイトの内容を変える作業を並行・分担して実施していきます。また成果を発表するためのスライドやブログ掲載の原稿なども協力して作り上げていきます。と、ここで、千葉市版のオリジナルな決算分類を表示するのに相応しいアイコンがないことが問題に。しかし、なんとチームにアイコンをデザインできるメンバがおり、急遽、千葉市用のアイコンまでできてしまいました。チームひとりひとりの献身的な作業とチームワークにより、短時間で大きな成果を得ることができ、充実感を味わうことができました。

 

作業の結果構築されたWHERE DOES MY MONEY GO? 千葉市版は、市税が1日当たり、どこでいくら使われているか?について、かなりしっかりしたデータに基づいた情報を提示できるサイトになりました。まだ、解説や成果資料などがサイトに掲載できていなかったり、議論で話し合われた課題について反映できていなかったりするものが多々あり、今後少しずつでも継続して作業を実施したいと考えています。

 

fixed public bench

 

WHERE DOES MY MONEY GO? ついてばかり書いてしまったのですが、他のチームに関して少し触れておきたいのが、FixMyStreet Japanを利用したプレイベントで、少し壊れていて子どもに危ないとされていたベンチです。なんとオープンデータデーの当日までに補修がされていました。市民が自治体とこうしたツールを用いて協調できると本当にうれしいですね。単純な指摘だけでなく、解決に向けた連携、協調、そしてありがとうという気持ちが大事です。

 

当日の懇親会の後、同ベンチをイベントの参加者で訪れました。普通のしかし補修された夜のベンチを取り囲み写真を取っている参加者の一団は、その場を通りがかった千葉市民の目にどのように映ったでしょうか?このベンチは千葉市のオープンガバメントの歴史的なモニュメントとなるかもしれません!?

 

Chiba Open Data Day 2013は、この他にも熊谷市長が各チームの議論に加わったり、メディアの取材があったり、プロフェッショナルな機材での映像配信があったりと、本当に充実したイベントでした。参加者の皆様、実行委員会の皆様、お疲れ様でした。

 

NTTレゾナント株式会社/LODチャレンジ実行委員会委員 佐藤宏之

Written by lod-committee

3月 6th, 2013 at 11:30 am

技術コラム第16回:2.23インターナショナル・オープンデータ・デー in YOKOHAMA 参加レポート(その2)

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地産地消データ!

 

私は地元のランニングクラブの仲間であり横浜市職員でもある父友?と「分科会1.横浜街歩きアプリ体験ツアー」に参加しました。

 

マリンタワー2Fに10時集合。オープンデータデーinYokohamaの全体の参加人数50人程度と思って参加したのですが分科会1だけで40人は超える大盛況ぶりです。

最初に展望台に全員で上がり「マリンタワー開業52周年横浜今昔写真展」で横浜今昔を展望し横浜オープンデータ・ハッカソンにおいて開発された「横浜歴史フィールドミュージアムAR」で3班、横浜の地図を集めた街歩き地図アプリ「横浜Maps」の1班に別れ13時半まで横浜散歩です。

 

 

iPhoneでの馬車道AR画面

 

展望台でみた昔の浮世絵、絵葉書写真という「リアル」な横浜今昔をiPhone/iPadのARアプリの「バーチャル」な世界を通して「リアル」な追体験をするという刺激的な体験ツアーです。ナビゲータの方の説明も詳しく丁寧で長年横浜に住んでいる私も多くの初耳体験、そして眼前の今の馬車道と、その名の由来でもある馬車が行き交う昔の絵を同じ画面にみる不可思議体験を堪能です。その後、さくらWORKS関内に再度全員が集まり横浜市役所の関口さん司会で本日の感想会が行われました。感想会では、利用権利範囲を明確にしたデータをもっと出してもらいという要望、自社が抱えるデータの活用について企業が模索をしていることと同じ状況が横浜市でもあるということ、また自分の大学でも市への働きかけをしているが観光だけでは行政も説得できないなど、産官学の各種分野の方の参加なしにはできない貴重な意見交換が行われました。そして「横浜歴史フィールドミュージアムAR」の開発を行なった学生の方から、参加者の皆さんがアプリに対して具体的専門的な意見と出してくれたという、おじさん達への挑発的な発言もあり分野混合とともに年代混合ならではの楽しい感想会体験となりました。さて表題の「地産地消データ」ですが、これは今回初めてこうしたオープンデータデーに参加した父友の帰宅時の言葉です。私と違って横浜市職員=データ提供者側でもある父友の発言でもあり、またオープンガバメントデータとは何かを端的に表現した名言と思った次第です。「地産地消データ」かつ「地元」の仲間がいてということはオープンデータを進める上で大きなモチベーション。今回のオープンデータデーで得た一番の体験となりました。

横浜市民の実行委員

Written by lod-committee

3月 1st, 2013 at 10:32 am

技術コラム第14回:オープンデータ東海 参加レポート

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地下鉄「名古屋大学」到着9:40。地下鉄、地上に出ると、緑が一杯。文字通り、大学の中に駅がある感じ。歩いて間もなく会場到着。部屋に入ると、開始までまだ20分位あるが30名程にはなっている。席を取ってノートPCを電源ONにし、WiFiに繋ぐ。名古屋会場のコーディネーターの名大河口教授にご挨拶。Google Hangoutの調整と確認で学生が忙しそうに動き回っています。 名古屋大学キャンパスのコンピュータ実習室とのこと。まだ新しい教室。60名程の学生が演習をやれるそうです。コンピュータが机内に収められている関係で飲食は禁止が残念。

 

10:00開始です。東京や横浜、青森と次々と各地の会場の画面が映っています。名古屋会場参加者は63名、内9名が女性。

 

10:25白松先生のLODに関する講義。多岐に渡るも、とても丁寧な説明でした。

 

白松先生の基調講演 

 

11:10 各参加者が全員の前で自己紹介。1人1分のはずが・・。東海地方の県自治体、商工会議所、総務省、経済産業省からの人、市会議員の人も。河村市長がいないのが残念ですね。そしてもちろん地元の名古屋大河口研の学生達、白松先生の名工大生が目立ちます。20名位は学生でしょうか。一般参加者、女性も交え60名以上となりますが、この部屋に丁度いい数です。

 

 

 

12:35自己紹介時の各自視点を、FreeMindを使って分類し、「子育て支援」、「観光」、「安心・安全」の3テーマに絞る。こういう時にはマインドマップは便利だなーと思う。

 

13:20 アイデアソン、ハッカソンの開始。「安心・安全」グループの部屋を確認し、昼食。時間も無さそうだったので、同じグループの面々で近くの名大の学生食堂へ。

 

アイデアソンの風景です。皆さん真剣。

 

LODやRDFについて知っている人は少ないようだけれど、皆さん、オープンデータに対する期待・意気込みが伝わって来ます。コードを書ける人の半分位はRDFではないデータ形式を使っているようでした。

 

この日までに集められたデータは各自治体の管理下となり、この日限定の使用ということだったのが残念です。やはり本当に重要なデータや分析したいデータは、簡単には公開するのは難しくなるということでしょうか。今日のようなイベントを機会に各行政機関で是非検討してもらいたいですね。

 

17:00 各グループの成果発表。
名大生の成果発表では、犯罪情報などの地域と時間経過の分析ツールの紹介。ここでも地図上への表示が効果的。分析を分析期間設定後にリアルタイムで行っているので少し時間がかかるようで現在改良中とのこと。 観光NIGEROHはLODツールを使ったものでした。観光情報と避難場所情報から最も近い避難所までの避難経路を示してくれるものです(これは後でOKFNに成果として載せられています)。

 

in東海のグランプリとなった子育てミシュランの発表風景

 

名古屋市の区単位で、子育てしやすいかを分析・判定する「子育てミシュラン」がこの会場のグランプリ獲得。図書館の蔵書数、インフルエンザ情報を各区で評価して、子育てに適した区を順位づけするものです。このグループは女性が多く華やかだったですね。

 

LOD以外の人が多いのでLODツールを使うことをプッシュするのを控えたことは反省かなと振り返る。
18:55 クロージングで河口先生がまとめをされました。河口先生忙し過ぎる。2回目を直ぐやりたいと思いつつ会場を後にしました。

 

(文責:年岡)

 

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