技術コラム 第1回:saveMLAK
昨年度のLODチャレンジの受賞者からメッセージをいただきました.
8月は,データセット部門の最優秀賞を受賞された加藤文彦さんから,受賞作saveMLAKについてご紹介頂きます.
Linked Open Data チャレンジ Japan 2011 にてデータセット部門最優秀賞を受賞致しました saveMLAKについてご紹介致します.saveMLAK (*1) は2011年3月11日に発生した東日本大震災後に,博物館・美術館 (M),図書館(L),文書館 (A),公民館 (K)の関係者等有志によって結成されたコミュニティプロジェクトです.施設の被災状況や救援情報等を誰でも編集可能な形で集約しています.集約している施設情報や被災・救援情報は,他の震災関係プロジェクト等との連携を容易にするため等の理由により,クリエイティブ・コモンズライセンスの下で公開されています(*2).
今回我々がデータセット部門に応募したのは,saveMLAKを知ってもらう機会を増やすことや,より多様な連携や利活用ができるのではないかといった理由からです.また,データ自体を評価してもらう機会というのが中々ないので,興味があったという面もありました.結果,最優秀賞に選ばれたことには驚きましたが,旬なテーマであったことや今後の発展性があることなどが評価されたようで,これからも継続的に活動を続けていくにあたって,大変励みになりました.
LODチャレンジを通じて良かったことしては,震災とは直接関係のない連携ができるようになったことです.例えば”ミュージアムへ行こう!”のように他の応募作品からsaveMLAKを参照していただくこともできました.また,講演の機会を頂くことで,より多くの方々saveMLAKの宣伝をすることもできました.我々としては,様々な方に活用して頂く機会があるというのは大変ありがたいです.これを機にsaveMLAKの編集作業等にも興味を持つ方達がでてくると更に嬉しいと思っています.
データ公開について,公開する側のメリットを中々認識し辛いと思いますが,実際に行なってみると,それによって新しい機会を得る可能性があるなと感じました.趣味で作っているようなデータも,公開してみると思わぬ異分野で繋がって新たな発見があるかもしれません.もし何かデータがあるなら,それを公開して,LODチャレンジ2012に応募してみてはいかがでしょうか.
*1: http://savemlak.jp/
*2: http://savemlak.jp/wiki/saveMLAK:著作権
情報・システム研究機構 加藤文彦