「SparqlEPCU」,「WebDocManager」,「LOD Browser」でアプリケーション部門最優秀賞を受賞された年岡晃一さんから、メッセージをいただきました。 Linked Open Data チャレンジ Japan 2012にてアプリケーション部門最優秀賞を頂きましたSparqlEPCU及び関連作品についてご紹介致します。
作り始めたきっかけ
RDFのデータ形式を使うとWebに上がっている世界中の様々なデータを2次利用出来るという道が開けます。しかしいざそういうアプリケーションを作ろうとするとRDFの格納やらSPARQL検索エンジンの呼出しやらで、初心者やプログラマー以外の人には敷居が高く感じられたり、それなりの時間や労力が必要となったりします。これらの問題を軽減するシステムを考えたいというのがきっかけです。図1.SparqlEPCUサイト・トップページ
SparqlEPCUとは
Google Mapsでは地図データをクラウドから持ってきますが、それと同じ様にRDFデータをクラウドからデータを持って来ることを可能にするフレームワークです。クラウドのRDFサーバーとそこにアクセスするためのJavaScriptライブラリ及びサービス提供サイトから成ります。ライブラリAPIを呼び出すLODのアプリケーションは、RDFstoreの実装の手間が省け、分野に特化した処理やGUI作成に専念することが出来ます。Googleの地図データとは違って、RDF格納の機能も必要となるので簡単なアクセス権の制御も出来るようにしています。 以下の順に、理解のレベルに応じてLODアプリケーションの構築が出来ます。 先ずはプログラミング無しでLODを体感- CSVデータを作成
- SparqlEPCUサイトのGUI画面からCSVデータをRDF登録
- SparqlEPCUサイトのGUI画面からSPARQL検索で登録RDFの確認
- LOD Browserを使ってLODアプリを体感
- API呼出しのサンプルコードHTMLファイルダウンロード
- サンプルHTMLをダブルクリックして動作確認
- SparqlEPCUサイトで自分のプロジェクトを作成
- サイトにあるAPIチュートリアルで機能の詳細を確認
- JavaScriptコードを使って他データとマッシュアップし、アプリ構築
図2.LOD Browser
今後の展望
現在、RDFサーバーの実装部分はscale outにはなっていないので、PaaS (Platform as a Service) を使ってこれを解決して置きたいと考えています。またJavaScriptやマッシュアップは今後もICTやクラウドサービスの中核として使われていくと思われます。多くの方が、本フレームワークを使って様々なLODアプリケーションを作って頂けるよう工夫をして行きたいと思います。来年度応募を考えている人へのメッセージ
LOD実現のために更なる様々な切り口のサービスや部品化のプラットフォーム作り、データのWeb作りなどが続々と作られ始めています。本システムがそういう中に参加していく足掛かりや参考になれば幸いです。LODチャレンジへの期待
LODチャレンジは産官学から成るソフトウェア作りのコンソーシアムとして、ソフトウェア活動の新しいプラットフォームになるような気がします。ハッカソンやアイデアソンを通じて生まれる様々なビジネスモデルや新しい社会システムが日本の経済をきっと立て直して行くと信じます。中部大学 年岡晃一
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