「函館の歴史資料を用いた市民に新たな発見がある写真検索システム」でアイデア部門最優秀賞を受賞された高橋正輝さんから、メッセージをいただきました。

公立はこだて未来大学では、「函館市を中心とする函館圏地域の文化財をデジタル化して活用するための事業を、公立はこだて未来大学が担うことで、情報技術を活用した地域の文化発信の拠点をつくる」というねらいのもと、2010年度にデジタルアーカイブ研究センターを設置しました。また、同年度から、函館市の大量の歴史資料を所蔵する函館市中央図書館と連携し、デジタルアーカイブCMSの構築を進めてきました。現在、写真(絵葉書)や地図、ポスターなどの蓄積された画像データを目録(メタデータ)と併せて「函館市図書館所蔵デジタルアーカイブデジタル資料館」で公開しています。この大量のデータを活用して、新たなコンテンツを作るための仕組みを構築するというテーマへの取り組みの中でLinkedOpenDataに着目しました。

LODチャレンジ2012のアイデア部門において最優秀賞を頂いた「函館の歴史資料を用いた市民に新たな発見がある写真検索システム」は、函館のデジタルアーカイブにおける一万点以上の膨大な写真から、市民が懐かしさを感じることや、函館の歴史について意外な事実を知あることができる写真の検索の仕組みです。写真だけでなく、他の施設で所有する文献資料のような散在する歴史資料をLOD化することで、写真のメタデータや文献資料に記述された日付や人物名がリンクします。そのリンクを利用し、市民の属性情報や検索キーワードの入力をクエリにSPARQLで関連を辿り、関連付けられた写真を提示するシステムの構築を目指しています。


システム概要

このような賞をいただけたのも、研究資料を提供してくださっている函館市のみなさまのおかげです。また、LODチャレンジ2012に函館の観光情報LODのエントリーを目指し、一年間共にLODの知識ゼロの状態からLODの取り組みや技術について学んだ高度ICT演習観光系プロジェクトに感謝しています。昨年12月の「LODチャレンジデーinはこだて」では、ゲストのみなさまにLODを通した地域活性化をテーマにディスカッションしていただき、貴重な知見を得る事ができました。LODの活動から、様々な人々との関係を築くことができ、このような成果に結びつけることができたことをとても嬉しく思っています。今後も、このアイデアを実現することを目指すだけでなく、地域の人々に価値のあるデータの公開・活用に取り組んで行きたいです。

公立はこだて未来大学 高橋正輝


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