タグ: ‘応募作品’
【参加募集】第4回LODチャレンジデー ~「つながるLODチャレンジデー」を考えるアイデアソン~(9/14,東京目黒)
今年度のLODチャレンジは、「つながる」を大きなコンセプトとして掲げています。そこで、今回のLODチャレンジデーでは、このコンセプトの1つの実現の形として「つなげるLODチャレンジデー」をテーマに、LODチャレンジ主催イベントの成果として出たアイデアや、一昨年、昨年のLODチャレンジ応募作品をつなげて意見交換を行う「LODサロン」を実施します。
具体的には、下記のようなテーマ毎にグループ分かれてアイデアを出し合う「アイデアソン」を実施します。興味のあるグループに参加して、ディスカッションと交流を楽しみましょう!
(1)ハッカソンのデザインをハッカソンする
(2)LODチャレンジデーをつなげるハッカソン
(3)LODチャレンジへの応募作品をつなげる
(4)科学データを「つなげる」アイデアソン
皆さまからのお申し込みをお待ちしております。
第4回LODチャレンジデー:LODサロン
~「つながるLODチャレンジデー」を考えるアイデアソン~
日時:9/14(土)13:00 – 17:30
場所:株式会社ドリコム(東京・目黒)
詳細&申込: http://peatix.com/event/18976
主催:LODチャレンジ実行委員会
技術コラム第21回:函館の歴史資料を用いた市民に新たな発見がある写真検索システム
「函館の歴史資料を用いた市民に新たな発見がある写真検索システム」でアイデア部門最優秀賞を受賞された高橋正輝さんから、メッセージをいただきました。
公立はこだて未来大学では、「函館市を中心とする函館圏地域の文化財をデジタル化して活用するための事業を、公立はこだて未来大学が担うことで、情報技術を活用した地域の文化発信の拠点をつくる」というねらいのもと、2010年度にデジタルアーカイブ研究センターを設置しました。また、同年度から、函館市の大量の歴史資料を所蔵する函館市中央図書館と連携し、デジタルアーカイブCMSの構築を進めてきました。現在、写真(絵葉書)や地図、ポスターなどの蓄積された画像データを目録(メタデータ)と併せて「函館市図書館所蔵デジタルアーカイブ デジタル資料館」で公開しています。この大量のデータを活用して、新たなコンテンツを作るための仕組みを構築するというテーマへの取り組みの中でLinked Open Dataに着目しました。
LODチャレンジ2012のアイデア部門において最優秀賞を頂いた「函館の歴史資料を用いた市民に新たな発見がある写真検索システム」は、函館のデジタルアーカイブにおける一万点以上の膨大な写真から、市民が懐かしさを感じることや、函館の歴史について意外な事実を知あることができる写真の検索の仕組みです。写真だけでなく、他の施設で所有する文献資料のような散在する歴史資料をLOD化することで、写真のメタデータや文献資料に記述された日付や人物名がリンクします。そのリンクを利用し、市民の属性情報や検索キーワードの入力をクエリにSPARQLで関連を辿り、関連付けられた写真を提示するシステムの構築を目指しています。
このような賞をいただけたのも、研究資料を提供してくださっている函館市のみなさまのおかげです。また、LODチャレンジ2012に函館の観光情報LODのエントリーを目指し、一年間共にLODの知識ゼロの状態からLODの取り組みや技術について学んだ高度ICT演習観光系プロジェクトに感謝しています。昨年12月の「LODチャレンジデーinはこだて」では、ゲストのみなさまにLODを通した地域活性化をテーマにディスカッションしていただき、貴重な知見を得る事ができました。LODの活動から、様々な人々との関係を築くことができ、このような成果に結びつけることができたことをとても嬉しく思っています。今後も、このアイデアを実現することを目指すだけでなく、地域の人々に価値のあるデータの公開・活用に取り組んで行きたいです。
公立はこだて未来大学 高橋 正輝
技術コラム第20回:SparqlEPCU/WebDocManager/LOD Browser
「SparqlEPCU」,「WebDocManager」,「LOD Browser」でアプリケーション部門最優秀賞を受賞された年岡晃一さんから、メッセージをいただきました。
Linked Open Data チャレンジ Japan 2012にてアプリケーション部門最優秀賞を頂きましたSparqlEPCU及び関連作品についてご紹介致します。
作り始めたきっかけ
RDFのデータ形式を使うとWebに上がっている世界中の様々なデータを2次利用出来るという道が開けます。しかしいざそういうアプリケーションを作ろうとするとRDFの格納やらSPARQL検索エンジンの呼出しやらで、初心者やプログラマー以外の人には敷居が高く感じられたり、それなりの時間や労力が必要となったりします。これらの問題を軽減するシステムを考えたいというのがきっかけです。
SparqlEPCUとは
Google Mapsでは地図データをクラウドから持ってきますが、それと同じ様にRDFデータをクラウドからデータを持って来ることを可能にするフレームワークです。クラウドのRDFサーバーとそこにアクセスするためのJavaScriptライブラリ及びサービス提供サイトから成ります。ライブラリAPIを呼び出すLODのアプリケーションは、RDFstoreの実装の手間が省け、分野に特化した処理やGUI作成に専念することが出来ます。Googleの地図データとは違って、RDF格納の機能も必要となるので簡単なアクセス権の制御も出来るようにしています。
以下の順に、理解のレベルに応じてLODアプリケーションの構築が出来ます。
先ずはプログラミング無しでLODを体感
- CSVデータを作成
- SparqlEPCUサイトのGUI画面からCSVデータをRDF登録
- SparqlEPCUサイトのGUI画面からSPARQL検索で登録RDFの確認
- LOD Browserを使ってLODアプリを体感
JavaScriptプログラミングでアプリ構築
- API呼出しのサンプルコードHTMLファイルダウンロード
- サンプルHTMLをダブルクリックして動作確認
- SparqlEPCUサイトで自分のプロジェクトを作成
- サイトにあるAPIチュートリアルで機能の詳細を確認
- JavaScriptコードを使って他データとマッシュアップし、アプリ構築
WebDocManager、LOD Browser は、上のステップ9で開発したアプリケーションです。図2のLOD Browser では、RDFデータに緯度・経度情報が含まれている場合、Google Maps上にその位置を表示します。
今後の展望
現在、RDFサーバーの実装部分はscale outにはなっていないので、PaaS (Platform as a Service) を使ってこれを解決して置きたいと考えています。またJavaScriptやマッシュアップは今後もICTやクラウドサービスの中核として使われていくと思われます。多くの方が、本フレームワークを使って様々なLODアプリケーションを作って頂けるよう工夫をして行きたいと思います。
来年度応募を考えている人へのメッセージ
LOD実現のために更なる様々な切り口のサービスや部品化のプラットフォーム作り、データのWeb作りなどが続々と作られ始めています。本システムがそういう中に参加していく足掛かりや参考になれば幸いです。
LODチャレンジへの期待
LODチャレンジは産官学から成るソフトウェア作りのコンソーシアムとして、ソフトウェア活動の新しいプラットフォームになるような気がします。ハッカソンやアイデアソンを通じて生まれる様々なビジネスモデルや新しい社会システムが日本の経済をきっと立て直して行くと信じます。
中部大学 年岡晃一